検証した主張

「Cloudflare Workers PaidはFreeの単なる広告非表示版ではなく、実行・ビルド・D1・運用上限を拡張する最低月額5米ドルの従量課金プランである。」

発見元は調査の入口であり、判定の根拠には使用していません。

情報を整理したきっかけ

Cloudflareの無料枠と月額5米ドルの違いを調べると、サイト数、アクセス数、Git連携、D1、R2、Pages、Proプランなど、別の課金体系や上限が同時に出てきます。これらを一つの「無料版と有料版」という表現だけで扱うと、何が増えるのかを誤解しやすくなります。

共有された会話は論点の発見にだけ使用し、個別のサイト名、契約予定、利用者情報、個人向けの推奨は採用していません。本記事は2026年9月20日時点のCloudflare公式情報から、一般に再利用できる比較だけを整理しています。

既存のCloudflare概要記事と分けた理由

既存記事は「Cloudflareとは何か」「Workers Paidとドメイン向けProは何が違うか」という全体像を扱います。本記事は「Workers Freeのまま使える範囲」と「最低月額5米ドルのWorkers Paidで拡張される範囲」に検索意図を限定しました。

概要と詳細比較を同じ記事へ詰め込むと、Cloudflareを初めて知りたい人と、契約判断のために上限を比較したい人の双方が探しにくくなります。重複する説明はWorkers PaidがProとは別契約である点に限定し、製品全体の説明は概要記事、数値比較は本記事に分担します。

Workers FreeとPaidの主な違い

Workers Paidはアカウント単位で最低月額5米ドルです。完全な定額制ではなく、含まれる利用量を超えたリクエスト、CPU時間、D1、ログなどには製品別の従量料金が加算されます。

CPU時間は、コードがCPUを実際に使用した時間です。外部API、KV、D1などの応答を待つネットワーク待機時間とは区別されます。Paidの最大5分は初期状態で自動的に使われる値ではなく、HTTPリクエストの既定値は30秒で、設定により最大5分まで引き上げられます。

Cloudflare公式ドキュメントを2026年9月20日に確認。金額は米ドル、税別の公表値。
項目Workers FreeWorkers Paid
基本料金0米ドル最低5米ドル/月・アカウント
動的Workerリクエスト10万回/日1,000万回/月を含む。超過100万回ごとに0.30米ドル
CPU時間1回あたり10ミリ秒月3,000万CPUミリ秒を含む。超過100万CPUミリ秒ごとに0.02米ドル
HTTPリクエストのCPU上限10ミリ秒既定30秒、設定により最大5分
Workers Builds3,000分/月・同時1件・2 vCPU6,000分/月・同時6件・4 vCPU。超過1分0.005米ドル
Worker数100/アカウント500/アカウント
Cron Trigger数5/アカウント250/アカウント
環境変数・シークレット64/Worker128/Worker
サブリクエスト50/呼び出し既定10,000/呼び出し
静的ファイル数2万/Workerバージョン10万/Workerバージョン
Workers Logs20万イベント/日・3日保持月2,000万イベントを含む・7日保持。超過100万件0.60米ドル
D1データベース数10/アカウント50,000/アカウント
D1の1DB最大容量500MB10GB
D1のアカウント合計容量5GB1TB。増枠申請が可能

静的サイトはFreeでも配信できる

Workers Static Assetsでは、静的アセットへのリクエストはFreeとPaidのどちらも無料かつ無制限で、アセット保存の追加料金もありません。HTML、CSS、JavaScript、画像をそのまま返す静的サイトでは、動的Workerコードの10万リクエスト/日とは分けて考えます。

ただし、SSR、認証、フォーム処理、API、run_worker_firstでWorkerコードを通すリクエストはWorkersの利用量として扱われます。静的サイトを複数公開することだけを理由にPaidが必須になるわけではなく、Worker数やファイル数などFreeの上限内かを確認します。

Paidの差が出やすい用途

Paidの差が出やすいのは、認証、サーバーサイドレンダリング、複数APIの集約、大きなデータ処理、定期実行、D1を使う検索や投稿など、CPU時間と動的リクエストを継続的に使うWebアプリです。Cloudflareは一般的なWorkerの平均CPU時間を約2.2ミリ秒、認証・SSR・大きなペイロード処理の例を10〜20ミリ秒程度と説明しています。

Freeの10ミリ秒を継続的に超えると実行が終了し、エラー1102になる可能性があります。一方、Paidでも無制限ではなく、WorkerごとのCPU上限設定、月間CPU時間、超過課金を管理する必要があります。

Git連携ではWorkers BuildsとPages Buildsを分ける

Workers Buildsでは、Freeは同時1ビルド・月3,000分・2 vCPU、Paid plansは同時6ビルド・月6,000分・4 vCPUです。複数リポジトリの更新が同時に発生する運用では、同時実行数の差が待ち時間に影響します。

Cloudflare PagesのGitビルドは別の上限体系です。Pages Freeは同時1ビルド・月500回、Pages Proは同時5ビルド・月5,000回です。Workers Paidへ加入した結果を、そのままPages Proの上限と読み替えることはできません。新規アプリについてCloudflareはWorkersを主要プラットフォームとして案内していますが、既存Pagesプロジェクトを移行するかどうかは機能と運用要件で判断します。

D1は上限停止型から月間従量型へ変わる

D1 Freeは1日500万行の読み取り、1日10万行の書き込み、合計5GBまでです。日次上限に達すると、その日のリセットまでクエリが実行できなくなります。データベース数は10、1データベースは最大500MBです。

Workers Paidでは、月250億行の読み取り、月5,000万行の書き込み、5GBの保存容量を含みます。超過分は100万行の読み取りあたり0.001米ドル、100万行の書き込みあたり1.00米ドル、保存容量はGB月あたり0.75米ドルです。データベース数は50,000、1データベースは最大10GB、アカウント合計は1TBです。

D1は返却した行数ではなく、クエリが読み取った行数で課金されます。インデックスは読み取り行数を減らせる一方、インデックス更新分の書き込みが増えるため、実際のクエリとメトリクスで確認します。

R2の無料枠と課金はWorkers Paidと分ける

R2 Standardには、月10GB-month、Class A操作100万回、Class B操作1,000万回の無料枠があります。超過分は保存容量がGB月あたり0.015米ドル、Class A操作100万回あたり4.50米ドル、Class B操作100万回あたり0.36米ドルです。R2からインターネットへのエグレス料金は無料です。

これらはR2自体の課金体系です。Workers Paidの最低月額5米ドルを支払えばR2が無制限になる、またはR2の全料金が5米ドルに含まれるという意味ではありません。Infrequent AccessにはStandardとは異なる単価、データ取得料金、最低保存期間があり、Standard向け無料枠も適用されません。

最低5ドルと実際の請求額は同じとは限らない

Workers Paidの5米ドルは最低料金です。たとえばCloudflare公式の試算では、月1,500万リクエストを処理し、1回平均7ミリ秒のCPUを使用するWorkerは、リクエスト超過1.50米ドル、CPU超過1.50米ドルを加え、合計8米ドルになります。

想定外の費用を抑えるには、WorkerごとのCPU上限、キャッシュ、D1インデックス、ログのサンプリング、Billable Usageの確認、Budget alertsを組み合わせます。Budget alertsは設定額到達をメール通知する機能で、サービスを自動停止する上限設定ではありません。

FreeとPaidを選ぶ判断基準

Freeで始めやすいのは、静的サイト、アクセスが少ないAPI、短い処理、小規模な試作、1日単位のD1上限に収まるアプリです。サイトが複数あることや独自ドメインを使うことだけでは、Workers Paidが必須になるとは限りません。

Paidを検討する客観的な条件は、1日10万件を超える動的リクエスト、10ミリ秒を継続的に超えるCPU処理、同時ビルド、Freeを超えるD1容量・データベース数、5件を超えるCron、長いログ保持、より多いWorkerや静的ファイルが必要な場合です。

  • 動的リクエスト数と平均CPU時間を分けて計測する。
  • 静的配信、Workersコード、D1、R2、ログの費用を別々に見積もる。
  • Workers BuildsとPages Buildsの上限を混同しない。
  • Workers Paidとドメイン向けProを別契約として比較する。
  • 予算アラートを停止装置ではなく通知として扱う。

注意点・確認できない範囲

本記事の金額は2026年9月20日時点でCloudflare公式ページに掲載された米ドルの公表値です。税、請求通貨、支払方法、従量料金の請求時期、既存のレガシー利用モデル、個別契約はアカウントごとに異なる場合があります。

実際の請求額、アカウント固有の利用量、上限引き上げの可否、Enterprise契約額は確認していません。契約時にはCloudflare Dashboardの注文画面、Billing、対象製品の最新料金ページを再確認してください。

検証条件・対象環境

対象プランWorkers Free / Workers Paid(Standard)
地域世界向け。税、通貨、請求条件はアカウントの請求画面で要確認
利用面Workers / Workers Static Assets / Workers Builds / D1 / R2 / Workers Logs / Cloudflare Dashboard
提供状態Workers FreeとWorkers Paidを提供中。料金・上限は製品ごとに異なる
実機確認Cloudflare公式ドキュメント上の料金と上限を比較しました。個別アカウントでの契約、実請求、税額、限度額変更、Enterprise契約は検証していません。
次回見直し2026.10.20

よくある質問

Cloudflare Workers Paidは月額5ドルの完全定額ですか?

完全定額ではありません。最低月額5米ドルに一定のリクエスト数とCPU時間などが含まれ、超過分やD1、ログなどの追加利用には製品別の従量料金が加算されます。

Cloudflareで複数サイトを公開するならPaidが必要ですか?

サイトが複数あることだけでは必須ではありません。FreeはWorkersを100個まで利用でき、静的アセットへのリクエストは無料かつ無制限です。Worker数、動的処理、ビルド、D1などの上限で判断します。

静的サイトだけでもWorkers Paidにするメリットはありますか?

静的配信そのものはFreeでも利用できます。Paidの主な差は、静的ファイル数、Worker数、同時ビルド数、ログ保持などの上限です。動的処理を使わない場合は、必要な上限がFreeを超えるかで判断します。

Workers PaidとCloudflare Proは同じ契約ですか?

同じではありません。Workers Paidはアカウント単位の開発基盤向けプラン、Proはドメイン単位のパフォーマンス・セキュリティ向けプランです。Workers Paidに加入しても対象ドメインが自動的にProになるわけではありません。

Workers PaidにするとPagesの同時ビルドも6件になりますか?

Workers BuildsとPages Buildsは別の上限体系です。Workers Buildsのpaid plansは同時6件ですが、PagesはFreeが同時1件、Proが同時5件、Businessが同時20件です。利用中のデプロイ方式を確認してください。

D1はWorkers Paidなら使い放題ですか?

使い放題ではありません。月250億行の読み取り、月5,000万行の書き込み、5GBの保存容量が含まれ、超過分は読み取り行数、書き込み行数、保存容量に応じて課金されます。

R2の無料枠はWorkers Paidの5ドルに含まれますか?

R2は独自の無料枠と従量料金を持つ別の課金対象です。Standardには月10GB-monthなどの無料枠がありますが、Workers Paidの5米ドルでR2が無制限になるわけではありません。

更新履歴

初回公開

Workers FreeとPaidの料金、実行上限、Builds、D1、R2、ログを公式情報から比較。

情報源

一次情報と発見元を区別し、各ページの公開日と確認日を記録しています。

  1. 公式料金ページCloudflare
    Workers Pricing

    Workers Paidの最低料金、月間利用枠、超過単価、Freeの日次上限、Static Assetsの扱いを確認。

    公開: 2026.08.28確認: 2026.09.20
  2. 公式ドキュメントCloudflare
    Workers Limits

    CPU時間、Worker数、Cron、環境変数、サブリクエスト、静的ファイル数を確認。

    公開: 2026.09.05確認: 2026.09.20
  3. 公式料金ページCloudflare
    Workers Builds Limits & pricing

    月間ビルド時間、同時ビルド数、CPU、超過単価を確認。

    公開: 2026.05.29確認: 2026.09.20
  4. 公式ドキュメントCloudflare
    Workers Static Assets: Billing and Limitations

    静的アセットへのリクエストが無料かつ無制限であることと、Worker実行時の扱いを確認。

    公開: 2026.04.23確認: 2026.09.20
  5. 公式料金ページCloudflare
    D1 Pricing

    Freeの日次枠、Paidの月間利用枠、超過単価、上限到達時の挙動を確認。

    公開: 2026.04.21確認: 2026.09.20
  6. 公式ドキュメントCloudflare
    D1 Limits

    データベース数、1DB容量、アカウント合計容量、Time Travelの差を確認。

    公開: 2026.04.21確認: 2026.09.20
  7. 公式料金ページCloudflare
    R2 Pricing

    Standardの無料枠、保存容量、操作、エグレスの料金とInfrequent Accessの違いを確認。

    公開: 2026.08.07確認: 2026.09.20
  8. 公式料金ページCloudflare
    Workers Logs

    FreeとPaidのログ件数、保持期間、超過単価を確認。

    公開: 2026.08.11確認: 2026.09.20
  9. 公式ドキュメントCloudflare
    Cloudflare Pages Limits

    Pages BuildsのFree、Pro、Businessの同時数・月間回数がWorkers Buildsと別体系であることを確認。

    公開: 2026.09.05確認: 2026.09.20
  10. 公式ドキュメントCloudflare
    Budget alerts

    従量課金額のしきい値通知であり、自動停止やハード上限ではないことを確認。

    公開: 2026.05.29確認: 2026.09.20

AI技術検証 編集部

公式情報の確認、条件整理、検証可能性を重視して記事を作成しています。調査補助にAIを使用する場合も、出典確認、判定、最終文責は人間が担います。

編集・訂正方針を見る